グレンカル・テクノロジーは、従来に比べ驚異的な低コスト、低二酸化炭素排出量で、低温、短時間で酸化、炭化をさせずに物質を乾燥させるレドックスマスター®・テクノロジーを開発しました。この先進的な乾燥技術を様々な分野に応用することで、環境の保全と経済の成長が両立する持続可能な社会への貢献をします。
グレンカル・テクノロジー株式会社は、グレンカル株式会社を母体として環境事業に特化した新会社として2013年に設立されました。グレンカル株式会社は2002年に設立以来、主に医療、環境等の分野で、多くの投資、M&Aアドバイザリー業務を行ってきました。その中で、出会った技術が、物質の炭化・酸化を防ぎながら、低コスト、低二酸化炭素排出を実現し、迅速に物質を乾燥させるレドックスマスター®技術です。この技術に大きな可能性を感じ、2013年12月、環境事業に特化したグレンカル・テクノロジー株式会社を設立し、レドックスマスター®技術の開発、製品化、事業化を行ってきました。
グレンカル・テクノロジー株式会社の強みは、この画期的なレドックスマスター®技術を保有することですが、それに加えて、母体であるグレンカル株式会社の投資業務を通して得た事業化ノウハウと国内外の幅広いハイエンドなネットワークを持つことです。このユニークな強みを武器として、レドックスマスター®乾燥技術を様々な分野に応用することで、昨今の気候変動、紛争による食料、肥料、燃料、飼料などのコモディティ価格の暴騰、水不足、貧困などのグローバルイッシューを解決したいと思っております。環境、食料、エネルギー問題を解決することが、間接的に世界の紛争を解決し、人類の平和につながるという信念を持ち、レドックスマスター®技術の開発、応用を続けていく所存です。
グレンカル・テクノロジー株式会社
代表取締役社長 中石 雅仁
世界中で、家畜の餌となる飼料価格の高騰が続いています。国内最大手の全国農業協同組合連合会(JA全農)は22年6月下旬、7~9月期の飼料供給価格(全畜種の全国平均)を4~6月期より1トン当たり1万1400円引き上げると発表しました。値上げは3期連続で、過去最大の上げ幅となりました。これまでの過去最高は2021(令和3)年4~6月期の同5500円の値上げの2倍以上の値上げ幅となっています。飼料原料のトウモロコシや大豆油滓、乾牧草などは輸入に依存するため、ウクライナ情勢や円安などの影響の直撃を受けているのが、その原因です。
家畜の飼料は、草あるいは草をもとに作られた繊維質の多い粗飼料と、とうもろこしや大豆、麦やふすま、糠など炭水化物やたんぱくの多い濃厚飼料に大別されますが、我が国の全般的飼料自給率は25%。このうち粗飼料自給率は76%、一方、濃厚飼料の自給率はわずか12%にすぎません。
飼料費が畜産経営コストに占める割合は高く、牛で3~5割、豚・鶏で6割ですので、飼料価格の高騰は畜産農家の経営に大きな打撃を与えており、このままでは、畜産農家廃業という動きが強まり、我が国の食料安全保障上、大きな脅威となります。もともと政府は、2021年から2032年度までに、飼料全体の自給率を25%から34%へ、粗飼料自給率を76%から100%へ、濃厚飼料を13%から15%へと引き上げる目標を策定しておりましたが、国際紛争、気候変動、円安により、飼料価格が高騰しておりますので、より大幅で迅速な飼料の自給率向上が急務となっています。
これまで廃棄されていた、飲料工場から排出される大豆、緑茶、コーヒー搾り滓をレドックスマスター®技術を用いて、低コスト・低CO2エミッション、炭化・酸化させずに乾燥させることで、家畜の高機能の飼料として活用することが可能です。すでに、飲料工場から排出された緑茶、コーヒー搾り滓の乾燥物が家畜用飼料として、各地のJA系飼料会社様、畜産農家様に飼料原料として販売されており、家畜の嗜好性もよい飼料として高く評価されております。
全国農業協同組合連合会(JA全農)は、2022年6~10月に各都道府県組織に販売する肥料の価格について、前期(2021年11月~2022年5月)に比べ、輸入尿素で94%、塩化カリウムで80%値上げすることを発表しました。
価格高騰の理由について、JA全農は「ベラルーシに対する経済制裁、中国の輸出規制、ロシアのウクライナ侵攻により、世界有数の肥料輸出国からの輸出が停滞し、限られた代替ソースに世界中から需要が集中したため」と説明しています。
世界の人口増加、経済成長に伴い、世界の肥料消費量は年々増加しておりますが、主な化学肥料の原料である尿素、リン酸アンモニウム、塩化カリウムについて、我が国は、ほぼ全量を輸入しています。これらの原料は世界的に資源が偏在しており、輸入相手国も偏在しているので、我が国の肥料の確保は国際的な情勢で大きく左右される脆弱性を有しております。
政府はこれまでも、化学肥料の使用量を減らす取り組みを進めてきました。持続可能な食料システムの構築を目指す「みどりの食料システム戦略」で、化学肥料の使用量を2030年までに20%、2050年までに30%低減する目標を掲げ、有機物の循環利用や、施肥の効率化やスマート化を推進しております。また、昨今深刻な土壌の酸性化問題を改善するためにも化学肥料使用量の削減に取り組んでおります。
2022年6月に北海道の士幌町で、グレンカル・テクノロジーの子会社、グレンカル・シナリー社が、東京大学らと「スマート農業プロジェクト」に参加し、バイオガス発電の副産物である液体肥料を活用する実証実験を行いました。バイオマスガス発電では、家畜のふん尿を発酵させた後に消化液と呼ばれる液体が残ります。消化液は豊富な養分を含んでいるものの、水分が多く、肥料として活用が進んでいないのが現状です。消化液を低コストで栄養分を損なわずに乾燥させることができれば、これまで、コストをかけて処分していた消化液を肥料として活用することが可能になります。低コスト・低温で、ものを変容させずに乾燥させるレドックスマスター®技術で、これまで厄介ものだった消化液が肥料として活用できることが実証されました。当実証実験は、北海道の農業関係者から高い評価を得て、肥料価格高騰の現状、消化液の肥料としての活用に期待が高まっています。また、レドックスマスター®技術は処理した物資をアルカリ化することが可能ですので、レドックスマスター®で作った肥料を使うことで、土壌の酸性化問題も解決することが可能です。NHKでも実証実験の様子が報道されました。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220627/7000047931.html
「私たちが水の管理方法を変えない限り、21世紀の戦争は水を巡るものになる」 世界銀行のイスマイル・セラゲルディン副総裁(当時)は2009年にこう警告しました。幸い、日本ではこれまで「飲み水に困る」ということを経験しておりません。しかし、世界では水不足が深刻化し、清潔な水が確保できない地域が多くあります。国連人口基金の「世界人口白書2021」によると、世界総人口は78億7500万人です。現在、その40%以上にあたる36億人が水不足に悩まされており、今後、ますます深刻になると予測されています。
水問題の根本原因は大きく分けて二つあり、一つは水の需要が拡大していることで、もう一つは、水の供給量が激減していることです。
まず、前者の「水の需要が拡大していること」の背景には人口増加と産業発展があります。世界の人口が増えるほど、当然、水の使用量は増えます。また、水は工業や農業にも利用されているので、世界の生活レベルの向上により、生活に必要な水の量も増えてきています。同時に、産業の発達にともない、排出される工業排水や生活排水が河川や海、地下水の汚染にもつながっています。
後者の「水の供給量減少」の背景は、主に温暖化と開発による水源破壊です。温暖化は降水量そのものだけでなく、降水パターンの激烈化を生じてます。気候変動が引き起こす干ばつ、大雨、水害により、水が必要な場所で必要な時に効率良く利用することが難しくなっております。カリフォルニア州や、オーストラリアのような先進国でも干ばつによる砂漠化が進んでおります。また、アマゾンの森林伐採などで水を蓄積した森が減少するなどして、水源破壊も深刻化しています
水不足は過去にも深刻な被害を世界にもたらしており、国家間の紛争を引き起こしてきました。11カ国を流れる国際河川のナイル川では、水力発電や生活用水、灌漑用水などを巡って、流域の国でたびたび対立が発生しています。ドナウ川におけるハンガリーとスロバキアが運河のための水利用に関して対立、漢江では韓国と北朝鮮がダム建設を巡る環境問題などで対立、インダス川ではインドとパキスタンによる水の所有権問題で争いが生じています。水関連の問題を専門とする米シンクタンク、パシフィック・インスティテュートによると、世界では今年に入り、ウクライナのダム、イエメン、ソマリア、マリなど水インフラを狙った軍事行動が相次いでいると報告しています。今後、水不足が深刻になると予想される状況で、水をめぐる国同士の争いは激化すると予想されます。当然ながら、農業には水が深く関わっており、水が不足していては、食料を生産することができないので、水の安全保障は食の安全保障より重要と言えるでしょう。
レドックスマスター®技術を使うことで、これまで廃棄していた有機物残渣から、人類にとって根源的に大切な水を作り出すことが可能です。例えば、レドックスマスター®機で1日7トンの食物残渣を処理すると、5トンから6トンの水分が残渣から取り出されます。この水分を大気中に放出することなく、捕まえることで、水を生産することが可能になるのです。レドックスマスター®を1000台稼働させれば、1日5000トンから6000トンの蒸留水レベルの水分を確保でき、二酸化炭素排出を抑えながら、低コストで食物残渣を処理し、同時に水を生産することが可能なのです。地下水くみ上げ、干ばつによる水不足が深刻で、人口も多く、工業化が進んでいるカリフォルニアやオーストラリアなどの地域で、灌漑用水、工業用水、野菜工場などの水として活用が可能となり、特にこのような地域で有益性の高い技術と言えるでしょう。フィルターで濾すなどすれば、飲料用水として使用することも十分可能です。
近年、廃プラスチックの有効利用率の低さ、海洋プラスチック等による環境汚染が世界的課題となっています。イギリスのコリンズ英語辞典は1年を象徴する言葉「ワード・オブ・ザ・イヤー」を毎年発表しており、2018年の言葉として、1度しか使われない使い捨て製品を表す「シングル・ユース」を選びました。プラスチック製ストローなど一度しか使われないプラスチック製品、single use plasticが海洋ゴミとなって生態系への悪影響が指摘されるなど、世界的な問題となっていることの一つの現れといえましょう。この流れを受けて、スターバックス、ケンタッキーなど大手外食産業、ヒルトン、マリオットなどの世界的ホテルチェーンが使い捨てプラスチック製品の使用廃止を表明しています。
2018年のUNEPの報告書「Single Use Plastic」によれば、容器包装セクターのプラスチック生産量が最も多く、全体の36%を占めています。各国の一人あたりのプラスチック容器包装の廃棄量を比較すると、日本の人口一人当たりのプラスチック容器包装の廃棄量は米国についで世界第2位となっており、ことプラスチックに関しては、我が国は3Rを率先しているという環境先進国というイメージとはかけ離れた実情となっております。従来、 国内で処理しきれなかった廃プラスチックは、中国などが「資源」として受け入れておりましたが、2017年末に、中国が汚れたプラスチックの受け入れは環境汚染に繋がるとして、輸入禁止を決定しました。その他の廃プラスチック輸出先となっていた東南アジア諸国もこの流れに追随しています。この結果、先進国で廃プラスチックが滞留しており、これらの行先を失った廃プラスチックを自国内でどのように処理するかが喫緊の問題となっています。廃プラスチックをリサイクル活用するというのも一つの方策ですが、プラスチックのリサイクルには、少なからぬコストがかかります。3Rの大原則として、Reduce(減らす)、Reuse(繰り返し使う)、Recycle(再資源化する)の順に環境負荷が高くなりますので、まずは、使用量を減らすことが最も効率的です。この観点から、石油由来のプラスチック使用料を減らすための解決策として、バイオプラスチックが脚光を浴びています。
バイオプラスチックとは有機資源を原料にして作られるプラスチックで、トウモロコシやサトウキビが一般的ですが、コーヒー豆滓や草木の剪定ごみなど、あらゆる有機資源が原料になりえる可能性があります。バイオプラスチックには期待が高まっておりますが、その普及にはこれまで、いくつか課題がありました。①製造コストが高い②製造のために石油燃料が使われる③耐熱性と強度に課題があるなどです。①と②は密接に関係していますが、バイオプラスチックの材料となる植物などの有機物を乾燥させるために、高熱を加える必要があります。そのため、大量の石油燃料の使用により製造コストが高くなり、環境負荷も高くなってしまいます。しかし、レドックスマスター®で乾燥処理させれば、これらの問題は解決できます。レドックスマスター®は低温で有機物の乾燥を迅速に促進しますので、バイオプラスチックの製造コストを大幅に削減することが可能になるのです。低温で乾燥するので、有機物を炭化、酸化させず、③の強度の問題も改善できます。
レドックスマスター®で処理した緑茶・コーヒーの絞り滓を使ったバイオマスを使ったバイオマスプラスチック製品は、既に実用化され、その品質の良さで高い評価を得ています。ユーピーアール株式会社様の物流用レンタルパレット、外資大手コーヒーチェーンの店内トレーなどがありますが、レドックスマスター®で、バイオマスを炭化・酸化させずに乾燥させているため、従来のバイオプラスチック製品が実現できなかった優れた強度、耐熱性、耐久性を実現しています。特に非常に高い強度、耐久性が要求される物流用パレットをバイオマスプラスチックで作ることができたことは、特筆すべきことです。また、通常、バイオマスプラスチックのトレーは熱に弱く、食洗器の高熱に耐えられないものが多いですが、レドックスマスター®で処理したバイオマスはもともとの植物の強靭性が保たれているので、食洗器でも使用でき、レストラン・カフェでも非常に使用勝手が良いとの評判を得ています。レドックスマスター®技術を利用したバイオマスプラスチック製品は、サプライチェーンの環境対応が要求されるESG経営、投資家の投資意欲に対して強く訴求できるアイテムとして、引き合いが増えております。子会社のグレンカル・シナリー社を一緒に設立した鉄建建設株式会社の研究所にレドックスマスター®機が設置され、バイオマスを活用した建築資材を共同研究開発しております。
代表取締役社長
中石雅仁(なかいしまさひと)
上智大学法学部国際関係法学科卒業。HSBC(香港上海)銀行で金利デリバティブのトレーダーとしてトレーディングに携わる。その後プライベート・バンキングでの経験を経て、自己資金投資・IPOサポート・M&Aアレンジメント等を主な事業とするグレンカル株式会社を2002年に設立。国内外で環境・ヘルスケア・自動車関連分野を中心に活動する。オーストラリア で、現地パートナーと環境関連会社を設立し、BRW誌で「2013年に最も成長したスタート アップ企業2位」に選出されるなど、近年は特に環境分野に注力した事業展開を行い、2013年にグレンカル・テクノロジー株式会社を設立。技術開発、経営全般を担当。
取締役副社長
桜井克一(さくらい かついち)
上智大学法学部卒業。日本生命入社。PEFベンチャー、米国系戦略コンサルティングファーム、大手ITベンダー等で経営コンサルタントとして、事業構造の見直し・再構築、意思決定プロセスの可視化、業績管理制度の設計・導入・運用、マーケティング戦略立案、販売チャネル整備、ITマネジメント制度の設計・導入・運用、デジタル化支援、インキュベーション支援等、多数のコンサルティング案件に従事。楽天証券で投資信託部長、経営企画部長等を経て、SBI証券で常務取締役として経営企画、マーケティング、商品開発を中心にマネジメントに従事。その後グレンカル・テクノロジーに参画、経営企画、営業統括をメインに担当。
取締役
前野ますみ(まえのますみ)
2000年中小企業診断士試験合格。東京外国語大学中国語学科卒業。London School of Economics and Political Science で国際紛争と環境問題の関係性などについて学び、修士号を修得。日本長期信用銀行(現新生銀行)、フランス ・インドスエズ銀行(現クレディ・アグリコルCIB銀行)、HSBC(香港上海)銀行で、為替・金利のトレーダーとして働く。2002年にグレンカル株式会社を北里伸郎、中石雅仁と設立、国際M&Aのアドバイザリー業務などをメインとしながら、国内外の環境事業のコンサルティングを 行う。2013年に中石とグレンカル・テクノロジー株式会社を設立し、取締役就任。
特許:(日本)7072791、(日本)6712419、(日本)6703671、(アメリカ)16/965,598、(オーストラリア)2019210824、(ニュージーランド)766809、(日本)7098176
商標登録:(日本)5979168、(日本)5979169、(欧州)018574142、(イギリス)UK00003708705、(オーストラリア)2222365、(ニュージーランド)1193116、(インド)5196824、(アラブ首長国連邦)370034、(アラブ首長国連邦)370036、(日本)6274917、(日本)6274918、(日本)6274919、(日本)6434270、(欧州)018573652、(イギリス)UK00003708706、(オーストラリア)2222366、(ニュージーランド)1193121、(アラブ首長国連邦)370037、(アラブ首長国連邦)370039、(アラブ首長国連邦)370040、(日本)6440702、(日本)6567416
汎用大型機